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小夜子が幼い頃、夢の中で初めて会った父親の話した言葉が、ずっと記憶にとどまっていた
小夜子は父親の存在を知らない
15歳の時、ある雑誌の文通欄に『藍の沼という場所を探しています』という言葉を添えて投稿してみた
すると、ひと月ほどして1通の手紙が送られてきた
宛名は、東北地方の聞いた事もない土地からだった
差出人はスナフキンと書いてある
封を切り便箋を開いて見ると『その場所なら知っています。すすきに覆われ、薄気味悪い沼です』と書いてあった
(本当に、そんな所があったんだ)
それから二人は年に2・3度、手紙のやりとりをして、もう4年になる
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