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『もしもし?湘さん?』
適度に酔った頭に、詢の声が優しく響いてきた。
「おー、久しぶり、元気だった?」
『あのさ、俺、どうしても湘さんに話さなくちゃって思って』
「ん?何を?」
とくんとくん。
詢の話が悟史くんの話だってことは聞かなくてもわかった。
『あのさ、俺、こないだ久しぶりに悟史さんの部屋に行ったんだ』
「そう」
やっぱりかと思いながら、また胸が苦しくなる。
『悟史さんさ、段ボール一杯のキャンバスを持ってきて、これって普通ゴミで捨てられる?って俺に聞くんだよ』
「ん?普通ゴミ?」
何のことか分からずに、聞き返した。
『うん、粗大ゴミか普通ゴミかって』
「ふうん」
俺は益々何のことか分からなくなった。
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