最終章

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勿論狸は抵抗した。普通ならそうだ。そんなことは想定内だ。 『さもなくば私、センセイをあなたから奪う。私もフィアンセと別れてセンセイと結婚する』 『馬鹿なことを言わないでっ、翔真さんはあげない、別れないわ』 『別れない?……そう。分かったわ。でも力付くでも奪う』 『どうやって』 『センセイの遺伝子、優秀だものね?』 そこまで言うと狸は黙った。結婚して7年以上も経つのに狸とセンセイの間には子はいない。私は推測した、狸かセンセイに生殖能力に欠ける何かがあるのだ。
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