信じられない話

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突然だけど、やっぱり信じたくない事って誰にでもあると思うんだ。 例えば、好きな人が誰かと付き合ったとか、テストの点が悪かったとか、色々あるよな。 そんな瞬間に、俺も今直面している。 「ん…。」 俺の隣で海紀が寝てるんだ。 いや、海紀の隣で俺が寝てたの方がいいのか? ここ、海紀の部屋だし。 それに、俺も海紀も下着姿なんだよ。 俺はパンツ一枚で、海紀はピンクのブラとパンツ。 いやらしい。 俺は服を脱いだ記憶はない。 とりあえず、海紀に布団を被せて、昨日の事を落ち着いて思い出そう。 ──────────────────────── ピンポーガチャ「早いでしょ!」 「どうせドアの前に立ってたんだろ?」 「み、見てたの!?えっち!」 「待て!見てただけならえっちくないし、海紀は制服じゃないか!」 「ちぇ、諒も変態って事にして、私の変態なとこを目立たせないようにしようと思ったのに。」 「なかなか酷い計画だな。」 「入って入ってー。」 「無視すんな!」 ったく、海紀の変態に巻き込まれるとか御免だぜ? 「今日は諒が来るから、張り切っちゃった。」 「うわ、すげぇ。」 そこには縦向きに5段に積み重なったハンバーグが! いや、こんなに食べれないし…。 「どうやって作ったの?」 「企業秘密。あ、天谷秘密。」 そこら辺の修正はどうだっていい。 とりあえず、絶妙なバランスが保たれているハンバーグに、ナイフを入れたくない。 絶対倒れる。 「今日は何も入れてないよな?」 「諒は私を疑ってるの?」 「そりゃ、前科あるから。」 「酷い!私が一生懸命作ったのに!えーん。」 海紀は人指し指を目の下で左右に動かしている。 典型的な嘘泣きだ、涙出てないし。 立てた事に関しては素晴らしい努力だよ。 「悪かった。悪かったから、嘘泣きやめてくれ。」 「あれ?バレた?」 「バレるも何も分かりやすい。」 「次はもっとリアルにしないと。」 海紀は演技下手だから、たぶん大丈夫だ。 「「いただきまーす。」」 まず、俺が始めるのは薬剤チェック。 匂いは普通、見た目も変なところはない。 問題はこのデミグラスソースだ。
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