第1章

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頭上に広がる何処までも広大で何処までも蒼い空 何処かの建物の屋上でごろりと寝そべりながら、顎の下に両手を置いて、世間一般では上目使いとか言うらしいそんな感じで空を見上げてみる 不意に、視線を動かした先 一直線に引かれていく白い飛行機雲が蒼い画用紙を真っ二つに割るかのように何処までも続いていく そのうち、段々と薄れて消える雲ではあるが今は確かに其処に存在している ―――まるで俺のようだ… ふと、そう思ってすぐに鼻で笑った 俺よりも余程確りとくっきりとその場にある飛行機雲 俺よりも余程簡単に呆気なく消え去れる飛行機雲 何処が俺に似ているのか… 自分で思っておいてなんではあるが、飛行機雲も随分嫌なモノに例えられたものだ 消えかけた飛行機雲をもう一度見やって、俺は目を閉じた
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