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教室に戻ると、さっき寺市 倫太朗の呼び出しで、私を呼んだクラスの子が近づいてきた
「さっきの寺市先輩だよね!?菫、告白されたの??!」
興味津々に問いかけてくる
声が大きいから他の子たちも、私とマドちゃんを取り囲むように集まってきた
でも、そんなことよりも
「え…?さっきの人って有名な人かなんかなの?」
少しだけ目を見開いて聞き返すと、私よりも目を見開いて驚いた顔をした彼女達
「菫知らないの!?電気科の寺市先輩って言ったら超有名じゃん!!」
凄い剣幕で説明されて、若干引いてしまう
とはいえ、知らないものは知らない
男子なんて苦手だし、私が興味あるのは安東君だけ…
「で?さっきの呼び出しは告白だったんでしょ?まさか断ったとか?」
他の子が興味深そうに聞いてきた
「付き合ってって言われたけど、断り損ねちゃった…。昼に断るよ」
うっかり他事考えていたなんて、言えない
そう答えて、自分の席に移動しようとすると、周りから「もったいない!」「とりあえず付き合っちゃえばいいのに!!」なんて声が飛び交う
困り顔で、少しだけ笑ってごまかし席に着いた
椅子に座ると少し落ち着く
フウっと一息つくと同時に、先生が教室に入ってきて、みんな急いで自分の席に着いた
隣の隣の席に座ったマドちゃんをチラリとみると、何やら机で隠してスマホをいじっていて
メ-ルでもしてるのかな?
高速で動くマドちゃんの指を、ぼんやりと見ながら単純にそう思った
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