日常

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駅に着いて改札を抜け、ちょうどホ―ムに入ってきた電車に乗り込む 家を出る時間は6時台だけど、駅に着くころには7時を回っていて、通勤や通学のための人達で電車内は少し窮屈 でも最寄りの駅は各駅電車しか停まらないから、2つ先の駅で快速に乗り換えないといけない 乗り換えの駅に着いて、扉が開くと同時に降りる人達と一緒に押し出された ホ―ムに降り立ってすぐに、時刻表の横に立つ女の子に歩み寄り声をかける 「マドちゃん、おはよ」 それまで聴いていたヘッドフォンを外してニカっと歯を見せて笑い「おはよ」と応えてくれる彼女の名前は 小暮 円(こぐれまどか) 私と同じ高校に通うクラスメイト 顔が小っちゃくて手足もスラッとしたベリ-ショ-トが似合う、見た目はお人形さんのような彼女は中身はかなりワイルドで男らしい そのギャップに最初は感動すらした そんな彼女は高校生になって初めてできた友達で、今では何でも話せる親友 だから… 「で?今日はどうだったよ。声聞けた??」 マドちゃんの質問に眉を八の字にして首を横に振ると 「ドンマイ」 そう言って制服のジャケットに突っ込んでいた手を出し、私の頭を軽くポンポンとしてくれる マドちゃんのこの仕草に私は毎日癒され、勇気をもらっている マドちゃんが男だったら確実に胸キュンだよ ありがとうの意味を込めて、ニコっとほほ笑めば 「しっかしモジャもなかなか手強いな。 こんな可愛い女の子から毎日声かけられれば普通ならポッと頬を赤らめたりもすると思うんだけど…」 「モジャじゃないよ、安東君」 「わかってるよ。でもモジャのが言いやすい」 ふいに腰をかがめ、私の顔を覗き込む仕草をした マドちゃんに見つめられるとなんだか緊張してしまう 思わず顎を引いて体を後ろにのけぞる しばらくじ-っと顔を見つめていたマドちゃんは、屈めていた背をぐっと伸ばし、またニカっと笑うと 「菫、口の右端に牛乳が少し付いてる」 「!?」
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