日常

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嘘!!家を出るときに鏡ちゃんと見たのに!! 安東君にも見ら…れてないか ほんの少ししか振り向いてくれなかったし そう思ってペロリと舌を口の右端に出し舐めとろうとする私に 子供かっ!と言いながら口元をジャケットの袖でぐいぐい拭いてくるマドちゃん 顔に似合わずいつもやることが男前な彼女の行動には、いつもドキドキさせられてしまう その後、ホ―ムに滑り込むように入ってきた快速電車に乗り、私たちの高校の最寄り駅まで揺られていく 駅について電車を降りるとホ―ムには学生ばかり その波に押されるように駅の改札を潜り抜け、狭い住宅街を歩いて行く 前方に目を向けると、沢山の学生の大群の中からひょっこりと見える クルクルボサボサの頭 あ、さっきは気付かなかったけど、寝癖がピョンってなってる… クスっと小さく笑ってしまった 「相変わらずモジャモジャの頭だな。 目も隠れてるけど、あれで見えてるんか?」 前を歩く安東君の後ろ姿を見ながらつぶやくマドちゃん 何も言えず無言のまま歩いていたけど、学校に近づくにつれ隣を歩く彼女のジャケットの裾を小さく掴む そんな私の仕草に何も言わず一緒の歩幅で歩いてくれる 住宅街を抜けると片側2車線の大通りにコンビニが1軒 そのコンビニの店先にも店内にも学生がみっちり 制服の種類は2種類 一つは濃紺のブレザ-、もう一つは白のセ-ラ-ワンピで可愛らしい清楚なイメ-ジのもの 私達は濃紺のブレザ-を着ているから、コンビニから出てくるブレザ-の人たちの後を追うように大通りを渡って反対側を歩く もう一つのセ-ラ-ワンピの制服の子達は大通りを渡って、私たちの学校とは反対の方向にあるお嬢様学校へと歩いて行く そちらをちらっと横目で見たマドちゃんは、私とセ-ラ-ワンピの子たちを交互にみて 「菫はあっちの制服のが似合いそうだね」 そんなことを言うから 「マドちゃんのが似合うと思うよ?」 そう言い返せばゲエって、苦い顔をした ホントに見た目滅茶苦茶可愛いのに、このギャップはどうだ 「それに、向こうの制服着てたらマドちゃんと出会えなかったよ」 その言葉に、今度は眉をキリッとあげて 「いやいや、間違いなく私は菫をナンパしてるね」 ドヤ顔で宣言するマドちゃん … うん、君ならやるね
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