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しばらく歩くと見えてきた校舎
マドちゃんの制服の裾をさらにギュッと掴むと、チラリと私の方を見てからクスクス笑いだす
「でもさ~、男苦手なのにこの高校選ぶとか、モジャに声かけるとかあんたってホント変わってるよね」
「…そうだね。この高校に決めたのは自分でも驚いてる」
そう
私、実は男の人が苦手で、集団でいられると逃げ出したくなってしまう
今だって、前も後ろも男・男・男!!
たま~に女子がチラホラ…
なにしろ、私たちが通う高校は工業高校で、
建築、土木、機械、電気といった男子が得意としそうな学科ばかり
当然ながら全校生徒かき集めても女子の数は圧倒的に少なくて、入学当初は毎日ビクビクしながら通学していた
今もまだビクビクですけど
今日も無事に学校に着き、下駄箱で靴を履きかえていると
一際にぎやかな声が下駄箱に響き渡る
チラリと声のする方に視線を向ければ、安東君に笑顔で話しかける栗色の髪の男の子が一人
「へえ~、モジャ友達できたんだね」
下駄箱に片手をついて上履きを履いていたマドちゃんが、珍しそうな顔して同じように2人を見ていた
確かに…と思う
だって、今まで安東君が誰かと一緒にいるところなんて見たことがなかったから
いつも一人
そんな安東君に満面の笑みで、話しかけ続ける男の子
なんか…
「犬みたいな人だね…」
ポツリとつぶやくとマドちゃんはブハっと笑って
「確かに!尻尾生えてるんじゃないの?!」
ケタケタ笑っている
二人の姿が建築科の棟に消えていくのを見届けてから
私達も自分たちの教室のある棟へと向かった
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