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いつの間にか繋いでいた手は離れていて、その手をジッと見つめていると
私の横に立ったマドちゃんに、肩を抱き寄せ「おめでとう」と言われた
そして「頑張ったな」と続けたマドちゃんの言葉に、
「ありがとう。でも、実際は、土壇場で早とちりして逃げだそうとしてたんだけどね。
頑張ったのは、ミケの方だよ」
眉を八の字にしてヘヘっと笑い返した
「まあ、過程はどうであれ、想いが通じ合ってよかったじゃん。
これからは離れてたぶん、いっぱい大切にしてもらえ」
「うん…、ヘヘ、なんだか恥ずかしね」
そう言って、視線を下に落とすと、床に横たわった状態の岡峰君と目が合って冷や汗が出た
目が…目が…死んだ魚みたいになってる…
一瞬で、浮ついた気持ちから現実に引きずり落とされた
血の気が引いて、真っ青な顔で突っ立っている私に岡峰君は、静かに人差し指で床をトントンとすると口パクで
“コ・コ・ニ、スワッテ?”
無言で伝えてきた
「………ゴキュ」
生唾を飲み込む
そんな私にマドちゃんは耳元で「ご愁傷様」というと、軽やかな足取りで小鉄君たちの元に行ってしまった
え?
行っちゃうの??
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