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抱きついてきたってことは“まだ”ゼロに頼られているんだよな?
ゼロを見捨てた夢のことを思い出しながら問いかける。
夢のことなんか早く忘れりゃいいのに……。
おれは自分の弱い部分を再確認して、まるで他人事のように嫌気を差す。
「ゴスロリ女に殺されそうになってしかも間違われたって聞いたぞ」現状を把握するために尋ねると、ゼロの膝がガクッと折れた。「零?!」おれは焦りながらもゼロの体を支える。
「大丈夫よ。安心して眠っただけだと思う」
倉吉がおれの肩にそっと手を置く。
おまえは医者なのか?と意地悪な質問が頭に浮かんだが、倉吉の目尻を下げた穏やかな表情を目にすると説得力を感じる。
地味な柄の座布団を4つ並べ、その上にゼロを寝かせた。
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