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「田中君の顔を見て緊張の糸が切れたのね」
倉吉の診断どおりゼロはスゥースゥーと寝息を立て始める。
おれと倉吉はゼロの睡眠を邪魔しないために、1階の集会場のようなスペースで話しをすることにした。
緑色のカーペットに腰を下ろそうとすると倉吉が座布団を手渡してくれた。
「ありがとう」
「水道と電気止めてるからなにも用意できなくて……ごめんね」
「いいえ、お構いなく」
倉吉が飲み物を出せないことを恥じるので、おれは両手を振って恐縮した。
「ところで、さっき気になったことがあるんだけど」
倉吉は座布団を敷かず、おれから1メートル離れた右横に座る。
「なんだ?」
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