Chaper4  長い夜Ⅰ

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「田中君の顔を見て緊張の糸が切れたのね」 倉吉の診断どおりゼロはスゥースゥーと寝息を立て始める。 おれと倉吉はゼロの睡眠を邪魔しないために、1階の集会場のようなスペースで話しをすることにした。 緑色のカーペットに腰を下ろそうとすると倉吉が座布団を手渡してくれた。 「ありがとう」 「水道と電気止めてるからなにも用意できなくて……ごめんね」 「いいえ、お構いなく」 倉吉が飲み物を出せないことを恥じるので、おれは両手を振って恐縮した。 「ところで、さっき気になったことがあるんだけど」 倉吉は座布団を敷かず、おれから1メートル離れた右横に座る。 「なんだ?」
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