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「さっき蜜姫さんのことをゼロって呼んでたでしょ?」
「ああ」
ごまかそうと頭を掻くが、ゼロを助けてくれた負い目もあって横からの視線を無視できない。
「蜜姫の下の名前はレイ(零)じゃなくてゼロと読むんだ」
「ゼロ?変わった名前ね」
“そうだね”と相槌を打てばゼロを馬鹿にしたような感じになるし“両親共に作家さんで、変わった名前を付けられたそうだよ”などと余計な補足をするとただのお喋り男になってしまう。
「倉吉は零から具体的に何があったのか聞いてるか?」
話しの矛先を変えた。
「うんとね、ゴスロリ女には学校の校門前で襲われたんだって」
「校門前?」
「蜜姫さんは臨時休校を知らせる電話がくる前に家を出ちゃったらしいの」
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