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「内出血を起こしてるんじゃ……」
「田中君は心配性だな」
倉吉は唇に手を当てて笑う。
「ほんとに大丈夫かな……」
おれが金庫室の方へ視線を向けると、ゼロが寝返りを打って顔を見せてくれた。気持ち良さそうに眠っている。
「蜜姫さんのことがよっぽど心配なのね」
「クラスメイトを心配しちゃいけないのか?」
おれは食って掛かるように訊く。
「話しを戻すね。蜜姫さんが目を覚ますと、高校の制服からゴスロリ女が着ていた服に着替えさせられていたんだって」
倉吉はおれの質問をかわし、話を進める。
「えっ?」
「着替えさせられていたのよ」
倉吉は念を押してくる。
「それはわかったけど、ゴスロリ女の目的がわからない」
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