Chaper4  長い夜Ⅰ

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家を出てタクシーを拾った。 この緊急事態にバスで行くなんて間抜けなことはできない。 倉吉から教えてもらった住所を正確に伝えると、タクシーの運転手は後ろを向いておれの顔を確認。 眉間には皺が寄った。 おれにはタクシーの運転手の疑念がすぐにわかった。 気づけば赤に黒いラインが入ったジャージ姿。部屋着に近い格好で乗ってしまった。 「これだけあれば行けるだろ!」 おれは財布から7枚の一万円札を出して見せる。 タクシーの運転手は不快な顔をしながらも小さく頷き、年下の若造からの侮辱的な行為を嫌々受け入れた。 お金を見なければ、この運転手に乗車拒否されていたかもしれない。
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