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家を出てタクシーを拾った。
この緊急事態にバスで行くなんて間抜けなことはできない。
倉吉から教えてもらった住所を正確に伝えると、タクシーの運転手は後ろを向いておれの顔を確認。
眉間には皺が寄った。
おれにはタクシーの運転手の疑念がすぐにわかった。
気づけば赤に黒いラインが入ったジャージ姿。部屋着に近い格好で乗ってしまった。
「これだけあれば行けるだろ!」
おれは財布から7枚の一万円札を出して見せる。
タクシーの運転手は不快な顔をしながらも小さく頷き、年下の若造からの侮辱的な行為を嫌々受け入れた。
お金を見なければ、この運転手に乗車拒否されていたかもしれない。
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