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いまさらながらゼロの家よりも先に、倉吉の家に入ってしまったことへの罪悪感が芽生える。
「実はココ、おじいちゃんが3年前まで住んでたんだけど、今はテスト期間中に私が勉強するために使うくらいなの」
倉吉が住んではいないということで罪悪感が和らいだが、執行猶予付き。
「勉強のためだけ?」
「そう。自分の部屋よりもココのほうが集中できるの」
「倉吉の家は別にあるんだ」
「自宅はごく普通の家よ」
「それじゃぁ、ココは普通じゃないということは認めるんだな」
茶化し気味に言うと、倉吉は鼻でフフッと笑う。
玄関から真っ直ぐ行くと、手前に鉄格子の扉、その奥に大人ひとりで回せるのか疑問に感じてしまう大きなハンドル付きの堅牢な扉があった。
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