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手持ち無沙汰になったので、 ガラス窓の向こうを ぼうっと見ていると 通りかかった女たちと目が合う 向こう側でキャッキャしているのがわかった ( …頭の悪そうな女 ) ふいっと 女たちから目をそらすと、 逸らした先に 周りの人から際立って、 透明感のある女がいた 透明すぎて 存在を感じない 黒髪に 白いワンピース、 対照的な格好が印象的だった 夕飯一緒に食おうってさ、と 絢斗の声でガラスの内側に引き戻される 「あ、うん、食べる」 再度、ガラスの向こうを探すと 黒髪の彼女はもういない 直感で 自分と同じ種類だと思った .
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