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さてと……これから美優を病院に連れて行かなければならない。
上手く言いくるめられるかの自信はないが、絶対に連れていくという気持ちで、俺は美優に声を掛けた。
「今日は定期検診だから病院にいくぞ?」
「……え?」
美優は目を丸くして驚いた表情をした後、少し考えているようだったが、やはり納得がいかないようで俺の顔を真っ直ぐに見てきた。
「今日じゃないよ?」
確かに今日じゃない。
だが、なんとか病院に行かせないと……
「検査の都合で日にちが変わったんだ。」
美優の真っ直ぐに見つめてくる瞳が、俺の嘘を見透かしているような気がしてならなかった。
その真っ直ぐな瞳に耐えきれず、俺は思わず視線を逸らしてしまった。
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