あらすじ

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俺を含む、家族は貧乏だったために実験台にされた。 それからの日々は、腐っていた。 足には最低限歩けるだけの鎖が施され、薄汚いローブのみを着用させられた。 いつ能力が発動するかわからないからだ。 だが、俺はまだ子供ということもあってか実験内容はきつくない子供だけの施設に入った。 だが、弟と口をきくことも少なくなり、父母の状態も分からず精神は日々擦り切れていった。 生きる上で一番大事だった家族の関係はもう消えかかっていた。 俺と弟の監視役のこの男は、表向きは国家公務員。裏では監視役をしている。 この男は天然の世界有数の超能力者。超能力者というだけで金は手に入る。 公務員も副業のようなものらしい。 スキルは 何らかの超回復 というものだ 地獄のような日々が続いたそんなある日。 施設を歩いていたらこの男に声をかけられた。 「おい、餓鬼ども。」 「……、なにか?」 「やっとお前達の実験結果が出たらしいんだ。俺についてこい。」 俺と弟は黙って男の後ろを付いていった。 「ったく、ここに来てまだ一ヶ月だってのにお前達も変わったな。死んだような冷めたい目になりやがって。そこまでつらくなかったろ。」 「でも無理矢理じゃ……。……自覚はないです。」 「逆にお前の弟は、泣きぐじゃりやがったな。ま、最近じゃそれもなくなったな。」 「……。」 「チッ。気に入らねぇ餓鬼どもだ。」 冷静で、冷たい声で返すに若干のイラだちを感じる男。 「この部屋にある。俺も同伴する。結果を教えてくれる相手は大臣並みの方だ。」 と言われた。 「はい。」
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