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「春菜には本命の奴が居るからな」 「それは理斗くんじゃないの?」 「さぁ? 春菜は何も言ってこないからわからない」 「理斗くんは春菜を好き?」 「…そう、だな」 「そうなのか、理?!」 「あぁ。 俺は春菜が好きだ」 「じゃあ、ハルちゃんに告白は?」 「してない。 好きな人が居るって相談されたから、自信がなかった」 「成程な。 それって、気づいてほしいって意味なんじゃね?」 「…そうなのか?」 「ハルちゃんは二人同時に付き合える子か?」 「…絶対に無理」 「だろ? なら、一番近くにいるお前が好きな可能性はまだ消えないだろ」 「…そうだな」 理斗はコクッと頷くと、春菜をメールで呼び出していたようだ。 「咲香先輩って、昼はいつもココ?」 「あ、うん。 読書も出来るし静かだから落ち着くの」 「ふぅーん? じゃあ、俺も食べに来ていいですか?」 「…どうして?」 「いつも独りなんでしょ?」 「まあ、そうだけど…」 「じゃあ、いいじゃん? それとも俺が居ると何か困るんですか?」 「…そんなんじゃないけど?」 「じゃあ、いい?」 流星がおねだりするような顔でそう囁くと、咲香はまた真っ赤になって悶えていた。 「そんな顔で言わないで?」 「咲香先輩が困るの分かってやってるんだよ?」 「…そんなのしないで」 咲香が本当に戸惑った顔をする為、流星はフッと微笑むと“勿論、嫌だけど?”っと言った。 「な、何で?!」 「咲香が可愛い反応するからだよ? 意地悪したくなるから」 「…うぅ」 「咲香先輩… メアド教えてくれますか?」 「えっ?!」 「嫌ですか?」 「…嫌じゃないけど、どうして急に?」 「急に知りたくなったから… 嫌じゃなかったら教えて欲しいな」 流星が真顔でそう告げると、咲香はまた真っ赤になりながら戸惑っていた。 「…じゃあ、あんまり意地悪しないって約束出来る? それならしてもいいよ?」 「それ、可愛いんですけど…」 「へっ?」 咲香が驚いた表情で流星を見ると、グイッと引き寄せられ流星の腕の中に包み込まれてしまう。
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