★0

11/20
前へ
/63ページ
次へ
「…り、流星くん?」 「…可愛すぎて、ずりぃ」 「えっと… 離れませんか?」 「…無理」 「…こ、困る」 「困ればいいですよ? 俺は咲香が好きなんだから」 「…い、意地悪しないでくれる?」 「嫌ですよ、勿論」 「…じゃあ、メアド教えないからね?」 「ふぅん? なら、春ちゃんにでも聞くかなぁー」 「…狡いよ、それ」 「じゃあ、咲香から教えてよ」 流星は耳元でそう囁くと、咲香は何となく座り込んでしまった。 「…あっ」 「…」 「咲香、逃げる気?」 「…だって、恥ずかしいし」 「だからってその逃げ方は反則でしょ?」 「流星くんが意地悪するから悪いんだよ? 少しは反省して」 咲香は真っ赤な顔でそう告げると、パタパタと図書室から逃げて行ってしまう。 「はぁー 逃げられたかぁ…」 「流星くんってば、エッチだね?」 「えっ?! は、春ちゃん!」 「咲香ったら逃げ足速いわねぇー 流石だわ」 「理からメール来なかったの?」 「…んー 何か会いづらいのよね?」 「恋愛相談したからだ?」 「…うん」 春菜はコクッと頷くと、メールを見ては返信メールを送り返すが溜め息を吐くと椅子に座り込む。 「流星くんさ? 咲香が好きだったんだね」 「…まあね?」 「お似合いだなぁ…」 「そう?」 「流星くんはイケメンだし、咲香は美人で可愛いしあの性格だからモテるし…」 「春ちゃんも理とお似合いだよ? 理は真面目だから、ちゃんと話せば分かってくれる奴だよ」 「…うん、知ってる」 春菜はフッと微笑むと、図書室から出ていこうとするが誰かにぶつかった。 「ご、ごめんなさい! 怪我はないですか?」 「春菜…」 「ま、理斗?!」 「やっぱここに隠れてたんだな」 「…な、何で分かったの?」 「ここ、隠れる場所あるから…」 理斗はそう告げると奥の個室を指差してはフッと笑うと、春菜はムッとしていた。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加