★0

15/20
前へ
/63ページ
次へ
「…マジなんだから必死になるだろ、普通?」 「ふぅん? 流がマジなんて初だな」 「そりゃ、初めて好きになったからな」 「初恋なんだな?」 「今まで居なかったのを理はよく知ってるだろーが?」 「確かに告白されても全部端から振ってたもんな」 「それ言うなよ」 「お前モテたからあんな告白の状況が出来上がっただけだろ?」 「思い出すの嫌だ、アレ」 「しかも、断る内容が凄かったよな」 「仕方ないだろ? タイプじゃないし、期待持たせても面倒だったんだからさ」 「全員にタイプじゃないって、言ったよな?」 「言ったけど、何か悪いの?」 「嫌、ハッキリ断らない奴よりは良かったよ」 「そう?」 「あぁ。 アレ、最高だった」 「お前愉しんでたの?」 「流は学年の中でも一番目立ってたから、ハッキリ言われた女子の中にはまだ諦めない子居たんだよ?」 「そうなの?」 「まあ、それは俺が何とかしといたから何もなかっただろうけどな」 「は? お前、何かしたのか」 「ん、ちょっと女子が引く事言って追っ払ったから…」 「何言ったんだ、お前?!」 「流は男が好きなんだって言ったが、駄目だったか?」 「…俺はそっちの趣味ねーよ」 「けど、女子は追っ払えただろ?」 「理、それは助かったけど… 俺の印象ってのは考えなかったのかな?」 「ふむ。 全く考えていなかったな? 流が女子から解放されたらと思い…」 「理、まあそれは有難いんだけどさ… 俺の評判悪くなるのは考えなかったの?」 「悪い。 流を助けるのが先決だったから、考えていなかった…」 「はぁ… まあ、いーや」 「いいんだ?」 「良くねーけど、済んだことは仕方ないだろ」 「そうだな、仕方ないな」 流星は内心では嫌だったが、理斗が助けようとしてやった事なら仕方がないと思うしかなかった。 「理、他には何もしてないよな?」 「うむ。 他には何もないと思うが…」 「は? まだ何かやったのか?!」 「う、うーむ?」 「ま、理?!」 「やはり、何もやってない」 「そ、そうか… ならいいけど」 「うむ。」 理斗はフッと微笑むと、流星も安心したのかフッと微笑み笑う。 勿論、周りの女子や先生はそれを見て倒れる寸前であった。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加