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「…今、保健室には水澤くんが居るのに」 「春菜、ちょっと今からいいか?」 「ん? 理斗どうかした?」 春菜が心配そうに顔を見上げてくる為、理斗は恥ずかしいのか真っ赤になる。 「理斗?」 「…春菜、俺と付き合おう」 「えっ?! どうしたの、急に?」 「ちゃんと言ってないから、その…」 「…そう。 でも、私は理斗の彼女になってるよ?」 「…うん」 理斗はまだ恥ずかしいらしく頬を染めているが、春菜はフッと微笑むと抱きついた。 「…!?」 「理斗、何か可愛いけど照れくさい?」 「…春菜は恥ずかしくないの?」 「理斗だから平気だよ? 好きなんだから」 「…俺も好き」 「理斗、照れ屋さんだよね? かっこいいのにギャップありすぎだよ」 春菜はギュッと抱きついたままでそう告げると、理斗はとても恥ずかしいのか顔を俯かせて隠していた。 「…水澤って、誰?」 「咲香の幼馴染みだよ?」 「仲良いの?」 「咲香とは幼馴染みだから…」 「違うよ。 春菜と仲良いの、ソイツ」 「…もしかして、ヤキモチ妬いてくれてるの?」 「…えっ?!」 「水澤くんは咲香の幼馴染みだから普通に友達よ? 理斗が彼氏なんだから」 「…そうか」 「安心した?」 「春菜、俺に意地悪してる?」 「…ちょっとしてるかも」 「じゃあ、お仕置き」 「…へっ?!」 春菜が理斗の発言に驚いていると、理斗はいきなりオデコにキスしてくる。 「…理斗?」 「…やっぱ駄目だ」 「えっ?!」 「…春菜が可愛いから照れくさい」 理斗は自分がこんなにも恥ずかしがり屋だとは思っていなかったので戸惑いを隠せないでいた。 「ねぇ… 理斗、今度映画行かない? それとも図書館が良いかな」 「…それ、デート?」 「…嫌なら、行かなくてもいいよ?」 「両方とも行く。 春菜、映画好きだもんな」 「…理斗は読書が好きでしょ?」 「だから、両方行こうよ」 「…うんっ」 春菜は嬉しそうに微笑むと、理斗も照れくさそうに笑みを浮かべるのだった。
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