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「咲香先輩って、ウブなんだね？」
「…流星くんもでしょ？」
「さぁ…
俺は男だから分かんないよ？
狼になって襲いかかるかもしれないしね」
「…そうなの？」
「咲香先輩はどっちだと思いますか？」
「…わかんないよ。
流星くんの事はまだ良くは知らないし」
「俺がどんな奴か知りたいですか？」
「それは良くわからないから…」
「じゃあ、教えてあげますよ」
「…え？」
俺は咲香の少々驚いた表情を見ると、フッと微笑みこう告げてみる。
「何てね？
冗談ですよ」
「…そ、そう。
ビックリした」
「咲香先輩、でもちょっとだけ期待したでしょ？」
「だって、いきなり真顔になるから本当かと思っちゃったもの…
あんまりからかわないでね？」
咲香がムッとした顔をこちらに向ける為、俺的には火が点いてしまう。
「からかってないですよ、俺」
「…え？」
「ちゃんと本気で言ってますから…」
「そ、そうなの？」
咲香が戸惑った表情でそう訊ねると、流星はフッと笑うと顔を近づけてくるので咲香は思わず目をぎゅっと瞑る。
「…??」
「咲香先輩、何か期待しちゃったでしょ？」
「え？
だって、いきなり近づけてくるからその…」
「キスするって思いましたね？」
「…!!」
「図星です？」
「…だって、いきなりだったし」
「じゃあ、本当にしますよ？」
「…だ、駄目」
咲香はスパッとそう告げると、口許を隠してしまったので俺は思わず笑ってしまった。
「咲香先輩って、本当可愛いよね？
益々気に入ったよ」
「…そんな風に言われても」
「咲香先輩…
俺はマジですからね？」
「…ズルいよ、それ」
「？」
流星がそんな発言にキョトンとしていると、咲香は真っ赤になりながらこう告げる。
「流星くん、自分が何でモテるの分かってないよね？」
「…わかりたくないけど？」
「どうして、私にそんな事言うの？」
「…咲香だって、自分がモテるの分かってないでしょ？」
「…わかりたくないよ、私」
咲香はムッとした顔でそう告げると、俺はフッと微笑むとまた顔を何となく近づけてみる。
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