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「…何? 今度は騙されないよ」 「ふぅーん? 一度は期待して目を閉じたのにね」 「何回も引っ掛からないよ」 「じゃあ、咲香が困ることしようかな」 「…?!」 流星がいきなり咲香の前髪に触れてオデコにキスすると、咲香はビックリして飛び逃げた。 「そんなに離れなくてもいいんじゃありませんか?」 「…半径10メートル以内に近づかないで」 「10メートル? それ酷くないですかね」 「…貴方が悪いんだよ」 「咲香が可愛いからキスしただけなんですけどね? 嫌だったの?」 「…え?」 「その顔は満更でもなかったみたいですね? ルールは受理されません」 「…うっ」 咲香は真っ赤になって拗ねていたが、俺はまた近づくと顔を近づけて咲香の反応をジッと見つめる。 「咲香って身長何センチ?」 「150センチですけど?」 「…可愛いな、このサイズ」 「…流星くんは何センチあるの?」 「172ぐらいだったかな」 「…まだ伸びてるの?」 「まあ、伸び盛りだからね? 咲香は伸びてないの?」 「…伸びないの」 「ふぅーん? 不便なんじゃない」 「…うん。 高いとことか届かないから」 「じゃあ、俺が助けてあげますよ」 「…えっと?」 「困った時は俺に頼ってくださいね?」 「どうして?」 「咲香を助けたいからってだけの理由じゃ、物足りないですか?」 「…そ、そっか」 咲香はそんな真っ直ぐな発言にビックリするが、何となく嬉しかったので微笑んだ。 「ねぇ… その笑顔って反則だって理解出来てる?」 「え?」 咲香がキョトンとした顔で首を傾げている中、俺は思わず溜め息を吐いて咲香から視線をずらす。 「流星くん?」 「…可愛いからそんな顔で見ないでくれる?」 「…ご、ごめんね?」 咲香は何となく謝ってきたので、俺はまた溜め息を吐いてからこう告げる。
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