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「――る様! クルーデリス様!」
(……?)
後を追って来るアナザーがそう魔女を呼ぶ声に、一瞬言いようもない違和感を覚えた。だが、それを掴みきる前に私の思考は彼女によって邪魔されてしまった。
「せめてもう一枚何かお召しになって下さい、お風邪を召されます!」
「わらわがそのような軟弱者に思えるか?」
腕に大量の布地を抱えて薄着の魔女を追いかけるのは、彼女のウィッカのアナザーだろう。一人であの分量を運ぶとは、見上げた根性だ、と言わねばなるまい。仮面をしていた男とは違う意味で周りが見えていなさそうだ。
魔女はというと、相変わらずの――いや、魔女の試練を終えて以前にも増しての薄着で平然と領地を闊歩していた。
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