AnotherXALICE

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「なんじゃ、そなた恥ずかしがっておるのか?」  魔女は帽子を被った頭を傾ける。 「わらわのアナザーともあろう者が、情けないのう。よいか、よく聞くがいい」  彼女は露出が多すぎる胸を反らし、カッと翠の目を見開いた。 「羞恥とは、美しさよりも下位に属する感情じゃっ!!」 「――っ!! …………いやいやいやいやいや、それと寒さは関係ありませんから!!」  一瞬感心しかけたアナザーは我に返ってそう突っ込みを入れる。……納得しないでいてくれて、私も少し安心した。  反論されてしまってむくれた魔女はそっぽを向いた。 「その『寒い』も、美しさより下等な感情じゃから、よい」
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