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「ん? ……ああ、さっきはありがとな」
彼はさして驚くことなく言った。
「いえ」
デビルはしげしげと彼を見る。
「それにしても見事に男性らしさが削がれるお面ですね……どうです、それをカウンターするために、疲労回復にもいいお役立ちアイテム、山羊のこうが――」
「いるかっ! つか出すな! お前も戻れ!」
叫ぶように言われてデビルは渋々手にしていた壷をしまった。
「仕方ないですね……じゃあ気が変わった時にでも」
「絶対いらん!」
男が言い切り、やや不満そうなままデビルは消えた。やれやれと首を振り、彼は相変わらず気絶している相手に近づく。
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