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「クピドゥス様! 俺、ろ、蝋燭、取って参りました。クピドゥス様のためにっ!」
それを受け取った彼女は、彼の仮面については一言も触れず、むしろそれと同じ微かな笑みを浮かべた。
「わたしのために、か……」
「は、はい!」
「そうか……礼を言うぞ、我が子――わたしのアナザー」
「はっ――はい!!」
男は仮面を外し、輝く笑顔を彼女に見せる。……本当に、なんのためにしている面なのか。
急に魔女の顔が少し曇った。
「まだ治らんか、その傷は……」
「え」
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