∞ヒツジが一匹∞

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リボンをつけた箱にも入れずに 剥き出しのまま、汐麹に渡す。 「これでどうなるかは、秘密」 「とりあえず先に言っておきま すが、有難うございました!」 一般的に非常口である玄関のド アを開けて繭冰の手を、ぎゅっ と繋ぎ、別荘を後にする二人。 「人生遊戯してたのに邪魔ァ」 雰囲気を壊す素を凍結させる。 「相変わらず嵐襲さんはどこの どこまでバカを貫くんだよ?」 疲れた体を癒す為に病弱な爽が シャワールームに立ち入る。 雲外鏡を覗く昴流の傍らに嵐襲 も金魚の糞同様で離れない。 「繭冰と汐麹の場所を示せ」 一度は、こんな風に人を探して みせる魔術師みたいになりたい という夢もあったが殺人鬼…… ただでさえ警察に掻き回される のに誰を殺したかなんて今は思 い出したくもないのが現状で。 「昴流、ぼーっとしちゃって」 つか教育係の卵ってなんだよ。 「繭冰ト汐麹ハ溺死ニアリ!」 二人の現在地は下水道だった。
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