∞ヒツジが一匹∞

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∝∽∝∽∝回想再生∝∽∝∽∝ そう間もなくして事件は起こっ た。別れさせ屋の別荘を出て裏 街道に差し掛かろうとした直後 が不幸の引き金ともなった。 「繭冰、ディープキスは?」 恋愛行動の催促に無駄はない。 「やっべ! たまらねんだわ」 繭冰は最新のスマホアプリに無 我夢中で話も聞いてくれない。 それなのに下半身だけは私の背 に突き上げて現を抜かしてた。 「私としたいの? それとも、し たくなくなったの? ねえ……」 「真澄を食べ物に例えるならさ 賞味期限が切れて食べられない 桜餅ってとこだから覚えとけ」 人間として反吐が出る野郎だ。 「……キメェんだよ」 ぼそっと汐麹の口から出た真。 「誰に向かって言ってんの? 揉 みくちゃにされたいのかな、胸 も大したデカくない貧乳が!」 「それだったら舐めてみる、通 り魔の血がついたジンベイ君」 甚平の隙間から黒い塊のような 糸が溢れ出てきて、二人の口腔 に別れ侵入を開始する。糸の先 端には待ち針が括りつけてあり 繭冰の喉仏には無数に刺さる。
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