∞ヒツジが二匹∞

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「実に面白いネ! ところで昴流 起こさなくても起きちゃったん だけど、説明の時間だよね?」 神亀が辺りをきょろきょろと一 通り見回すと羊毛を黙って契り 悪びれた様子もなく鼻をかむ。 「知るか! 追い出してやるー」 羊毛から湯気が沸き上がる。 「代行でやろっかな、やるから 昴流はテレパシーを送ってよ」 嵐襲に言われた通り、仕方なさ そうに昴流が瞼を閉じて念を込 める、嵐襲も続けて真似する。 〈昴流の怒りん坊昴流の怒りん 坊昴流の怒りん坊昴流の……〉 いらない言葉を唱えた嵐襲を庇 うように神亀が手を差し延べる 姿をみて少しばかり嫉妬する。 「その手ェやらんでくれる?」 嵐襲は何故 昴流が別に怒ってい るのかを気付いていなかった。 「じゃあ話してもらえますか? 地縛霊がどうとかこうとかと」 眠ってる最中も聞かれていた。 「浅い眠りだったのなら話が早 い、もうテレパシーはやめた」
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