∞ヒツジが一匹∞

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昴流が働かなくとも困らない。 もうじき、十二支の泉は開かれ る、解き放たれるのが楽しみ。 黄昏時にはもってこいです。 「あの人なら、きっと……」 まだ見ぬ人物に爽は深い思い入 れがあるようだ、誰だろうか? 「そういえば、何を編んでるん ですか? やっぱりセーター?」 「失礼ね! そんなありきたりな 物を作っても楽しくないわ?」 見た感じからすればセーターの ようにもみえなくはないが。 「爽が作ってんのは変わった甚 平……じゃないかな? 多分」 ついには羊毛に覆われる昴流。 「ゴメンナサイ、気色悪い」 羊が一匹、羊が二匹、羊…!! ヒツジさんのココロ→大爆発。 ジグソーパズルがバラバラにな ってしまい、最初からやり直し になってしまったような肩を竦 めるまでに陥った喪失感で潰さ れ、やるせない気持ちの昴流。 「どうせ、僕は落ちこぼれさ」 「ヒツジは妾が慰めておくけぇ このプレゼントを彼に渡して今 日のところは、お帰りなさい」
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