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奈緒が風紀室に戻れば、すぐさま誰かの怒号が部屋のなかを包み込む。
「貴方はいい加減風紀委員長としての自覚を持ちなさい!!」
本物の鬼のように頭から角を生やしてキレる風紀副委員長にへらっと笑う。
それがまた彼の怒りに油を注ぐかのような行動だと気にもせずに。
「え。別にいいじゃーん。被害届けとか出てないんだしさ」
大して気にしていない奈緒だが、こう見えて風紀委員長だ。
前の風紀委員長を無理矢理失脚させ、自分が委員長になると言い出したただの俺様よりタチの悪い横暴さを兼ね備えている。
だが、そんな横暴さすらカバーしてしまう彼の天使のような容姿にファンは絶えないらしい。
しかも奈緒から殴られたら目覚めてはいけない何かに目覚めてしまうものが多く、故に奈緒の親衛隊は別名【ドMの巣窟】と言われているぐらいドMの数が多い。
そのドMの多さは副会長の親衛隊を余裕で超えると言われている。
「貴方ね…ッ!これ以上自身の親衛隊に信者(変なドM)を増やしてどうするんですか!!被害届けが提出されるよりも私はそっちの方が心配ですよ!バカアホこのすっとこどっこい!」
「あれれー、ボクってばすんごい言われようだなーぁ」
ま、それはボクだからしょうがないよ☆と効果音が付きそうなぐらいにキラキラとした笑顔のまま風紀委員長の椅子に座ると、そのまま表情を氷のように固めた。
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