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『こんなところにいたんだ』
学校近くの土手、体育座りでいじける俺に、幼なじみの彼女が声をかけてきた。
『相当落ちこんでるわねぇ』
「うっせぃな、ほっとけよ」
『相手、ミユキ先輩だって?無謀にもほどがあるわよ』
「んなこと、お前に言われなくてもわかってる」
『だいたいねぇ、もうちょい身の程わきまえると言うか、考えて行動しなさいよね』
彼女は肩をすくめ、心底呆れたという事を体全体でアピールしてくる。
「へいへい」
『そもそも、ミユキ先輩ってユウ先輩と付き合ってるじゃない、なんでそんな馬鹿なことをしたのよ?』
「何もしねぇで後悔すんのは性に合わねぇんだよ、当たって砕けたほうがスッキリするだろ」
『救いようのないアホね』
「まあな、俺だってユウ先輩に勝てると思って告ったわけじゃねぇしさ」
『そうなんだ』
「それにユウ先輩の事を抜きにしても、ミユキ先輩が俺を相手にするとは思えないしな」
『ふーん』
「まあ、なんつーか、男としての魅力不足だな」
『………』
「もうちょい努力しねぇと、俺なんか相手にする女なんかいねぇわな、あはは」
俺は自暴自棄になる虚しい笑い声を出す。
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