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『ちょっと!』
「ん?」
『さっきから聞いてれば、何バカなこと言ってるのよ!』
そう言って怒る彼女を俺は呆然と見る。
『アンタだって、いいとこあるでしょ!』
「えっ?」
『ユウ先輩がなんだって言うのよ!負けてるのは頭の出来ぐらいで、アンタの方が部活で活躍してるときかっこいいじゃない!』
「そ、そうか?」
『だいたいね、アンタの魅力がわからないような女なんて、相手にしなきゃいいのよ!だからフラれてむしろ正解ね!』
「いや、その理屈はおかしいだろ!」
『それに魅力不足ってどういうことよ!』
「聞けよ、人の話!」
俺のツッコミも無視して彼女は言い続ける。
『入学してから、アンタを紹介してくれって子達を遠ざけるのにどれだけ私が苦労したと思ってるのよ!』
「おい、初耳だぞ、そんな話!」
『言うわけないでしょ?苦労させたアンタが悪いんだからね!』
「ええ!悪いの俺なの!?」
『ほんとにどいつもこいつも、アンタの事なんかなんにも知らないくせに、うっさいつーのよ!』
「いやいやいや、ちょっと、お前どうしたんだよ?」
彼女の目つきが尋常ではない。興奮しすぎた人の特有オーラがメラメラと立ち昇っている。
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