第1話

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「The final destination...」 そんなアナウンスが聞こえて顔をあげた。 友人の大学の文芸部部誌を鞄にしまう。 不思議な小説の世界から一気に現実に引き戻される。 終点だ。 車窓を流れる駅の看板が目に入る度に ”帰りたくない” そう思った。 寮に帰れば嫌でも思い出す。 しなければならないことが、たくさんあった。 終わる気がしなかった。 一歩一歩進む度に 心は鬱々としていった。 受験は終わったはずなのに。 どうしてこんなにも追われているんだろう。
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