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「The final destination...」
そんなアナウンスが聞こえて顔をあげた。
友人の大学の文芸部部誌を鞄にしまう。
不思議な小説の世界から一気に現実に引き戻される。
終点だ。
車窓を流れる駅の看板が目に入る度に
”帰りたくない”
そう思った。
寮に帰れば嫌でも思い出す。
しなければならないことが、たくさんあった。
終わる気がしなかった。
一歩一歩進む度に
心は鬱々としていった。
受験は終わったはずなのに。
どうしてこんなにも追われているんだろう。
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