第一章

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この学園が何やらおかしいんでないか? ということに気付いたのは入学式の時だった。 オレが進学先に決めたそこは男子校、しかもお金持ちが通うようなちょっと良いとこの私立学園。 なんでわざわざ男子校に………なんてことは誰でも思うだろう。 オレだって好んで男子校を選ぶ趣向はない。 ただ、そこの学園はかなりの進学率と就職率を誇っており、専門的知識や資格なども学園からの資金で高校生のうちから学べるというなにそれスゲーなバケモノ学園なのだ。 いとこの姉ちゃんが教えてくれなかったらオレは一生こんな学園があったなんて知らなかっただろう。 オレの家は普通の一般家庭で莫大な学費を払えるほどの稼ぎはぶっちゃけなかったので、駄目元で特待生枠の試験を受けたらなんとまぁ受かってしまったのだ。 合格の通知を貰ってポカーン。ふらふらと家に帰りオカンとオトンに見せ、三人でポカーンとした。 大騒ぎで喜ぶとかそういう感じじゃなかったのは確かだ。 だって実際に成績がそこまでよかったわけじゃないし、これといって目立つようなものも持ち合わせていない、果てや先生にさえ「何も無さすぎるからせめて漢検でも受けろ」と言われてしまうようなオレが入学するのにめちゃくちゃ苦労しそうな学園にぽこっと入れてしまうなんて………
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