こっくりさん事件

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「聡子。付き合ってないってば。もう言わないでくれるかな?」 横から庇うように綾が口を挟む。忌々しい女。 「綾には聞いてない! るいに聞いているの。るい、教えて」 「……うるせーんだよ! ドブス! 消えろ!」 ――ドブス?  「聡子、やっぱり嘘なんじゃなぁーい! キャハハ! ドブスだってー! 麻美、超うけるよねぇー!」 嘘吐き美里が囃し立てた。 心に黒い靄がじわりと広がる。もう少しで全身が憎しみに支配されそうだ。 幼い頃から貴方だけを見つめていたのに、そんな謂れよう? 小さい頃は仲が良かったのに……もう、るいと話す事さえも出来ないの?
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