第5話

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 ううん違う。本当は違うのかも知れない。 優しさに触れてしまうと、弱くなってしまうからだ。自分の為だけなのかも知れない。強い心を持たないと一日が乗り越えられない。 授業中は耐えられた。静かにしてれば良いのだから。休み時間もそう、教室が煩かったらトイレに逃げ込めばいい。 ただ給食の時間や猿田の算数の授業はそうはいかなかった。 給食の時間は皆が皆、生き生きと日頃のストレスをぶつけるかのように、虫やゴミや入れてくる。 給食なんて随分食べていない。非常食をいつも鞄に入れ、我慢をしていた。 そしていつしか口だけだった聡子や美里も加わるようになった。
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