第13話

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『 おい にいちゃん   息しているのか? 』 そういうとおじさんは大きな声で笑い出した 『 囲碁2日目のにいちゃんにはまだ早かったか! 』 『 ・・・ 』 自分の石を一間に打つ ということをさっき覚えたばかりの僕は 相手の石が”ケイマ”ではなく 自分の石から一間に打たれ どう対応すれば良いか当然の事ながらわからなかった そして おじさんの言った『早かったか!』の意味も・・・ 『 どれどれ~ 』 そこへ愛さんがやってきて 僕たちの碁盤を覗き込むと・・・ 『 テイさん 2日目のなぎさ君にはまだ無理よぉ!  テイさんだって 少し前に覚えたばかりじゃない 』 『 愛ちゃん それを言うなって!  にいちゃんに俺の”ザル碁”がばれるじゃねいか! 』 『 あはは 渚君の前では”テイ先生”でした  しつれいいたしました  テ イ セ ン セ イ ♪ 』 『 おいおい  センセイはやめてくれ~! 』 おじさんの泣きそうな声に まわりの人たちもおもわず笑ってしまった 『 しょうがない 対局はここまでね   渚君には少し早いけど この後の打ち方教えておこうかな♪ 』 そういうと愛さんは  黒石を  ”ピシッ!!” っと碁盤に打ち付けた 『 黒はね  ”コスミ”つけて 白をタタせたあと”ハネツグ”  そして白もカケツイで守る  もしもカケツがないでどこかに打てば その守らなかったところを機会があれば切る・・・     下辺の1子を動く事が多いけれど 戦いが難しくなるので  いっそ下辺の石は捨てちゃうのよ♪ 』 『 ・・・・・ 』 『 今はまったくわからないと思うけど とりあえず覚えて   いつかきっと使えるから♪    この手は  今年の ”天人戦” 挑戦者のパク・ニコラ8段お勧めの手だから♪ 』 『 ”てんじんせん”・・・ 』   『 ”パク・ニコラ”・・・ 』 『 今 絶好調で私が大好きな人よ♪ 』
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