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『 おい にいちゃん 息しているのか? 』
そういうとおじさんは大きな声で笑い出した
『 囲碁2日目のにいちゃんにはまだ早かったか! 』
『 ・・・ 』
自分の石を一間に打つ ということをさっき覚えたばかりの僕は
相手の石が”ケイマ”ではなく 自分の石から一間に打たれ
どう対応すれば良いか当然の事ながらわからなかった
そして おじさんの言った『早かったか!』の意味も・・・
『 どれどれ~ 』
そこへ愛さんがやってきて 僕たちの碁盤を覗き込むと・・・
『 テイさん 2日目のなぎさ君にはまだ無理よぉ!
テイさんだって 少し前に覚えたばかりじゃない 』
『 愛ちゃん それを言うなって!
にいちゃんに俺の”ザル碁”がばれるじゃねいか! 』
『 あはは 渚君の前では”テイ先生”でした
しつれいいたしました テ イ セ ン セ イ ♪ 』
『 おいおい センセイはやめてくれ~! 』
おじさんの泣きそうな声に まわりの人たちもおもわず笑ってしまった
『 しょうがない 対局はここまでね
渚君には少し早いけど この後の打ち方教えておこうかな♪ 』
そういうと愛さんは
黒石を ”ピシッ!!” っと碁盤に打ち付けた
『 黒はね ”コスミ”つけて 白をタタせたあと”ハネツグ”
そして白もカケツイで守る
もしもカケツがないでどこかに打てば その守らなかったところを機会があれば切る・・・
下辺の1子を動く事が多いけれど 戦いが難しくなるので
いっそ下辺の石は捨てちゃうのよ♪ 』
『 ・・・・・ 』
『 今はまったくわからないと思うけど とりあえず覚えて
いつかきっと使えるから♪
この手は
今年の ”天人戦” 挑戦者のパク・ニコラ8段お勧めの手だから♪ 』
『 ”てんじんせん”・・・ 』 『 ”パク・ニコラ”・・・ 』
『 今 絶好調で私が大好きな人よ♪ 』
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