仕返しの朝

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 縫ぐるみと同じブラウンの糸。 頑丈に何度も縫われたと思えるその跡を、糸切りバサミで引っ掻き、一つ一つ丁寧に切る。 細かく切断された糸を、指先で摘んで取り出す。やがて3センチほどの傷跡が開いた。 大好きなお父さんからのプレゼントを態々なぜ、傷をつけた? 何の為に? 気になって仕方がなかった。 白い綿が詰込まれている。 気のせいだったのかと思われた時に、丸々とした綿と綿の隙間に、小さな紙が挟まっているのを発見した。
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