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その後、彼女は順調にクズになっていき、おじいちゃんと同じように覚せい剤中毒となって『パパ』に金をせびるようになっていくんだ。
時には聞こえるはずの無い悪口を『パパ』が言ったといって二階から怒鳴り込んでくることだってあった。
そういえば、妙にしおらしく、一緒に居ようと言っていたこともあった。
まるで不思議の世界に入り込んだアリスのように戸惑いながらも『パパ』はそれを承諾する。
でも実はそのときに彼女が「勘繰り」という妄想によって、寝ている『パパ』をナイフを持ち、見下ろしながら殺すかどうか真剣に悩んでいたんだそうだ。
『パパ』は知らない間に命拾いしていたようでそのことを知ってゾッとしたよ。
今は彼女も注射の回し射ちで感染した肝炎で死にかけているよ? まったくめでたいことだね。
おかげで『パパ』は『姉弟』という関係の無価値さを知ることが出来たんだよ。
残念ながら君のおばあちゃんに対しても『パパ』は絶望しかけていた。 もっとも今では諦めているというのが正しいのかもしれないな。
『パパ』のママは良くも悪くも情がある人なんだ。 だが、それゆえに愚かな人でもある。 『パパ』のパパに何度裏切られても、殺されかけても、子供達が始末されかけてもあのクソ垂れジジイから離れようとしない。
まるでそれが使命かのように嬉々としてクソっタレ野郎のクソの世話をしていて、それが『パパ』には信じられない。
そして問いかける『パパ』の言葉に『家族』だからと言う言葉で片付けてしまう。
それは『パパ』が十八歳のときだ。 そのときには『パパ』の家は崩壊していて、襲撃に備えてパパは普段着を着て、靴を履いて寝る生活をしていた。
そして自身の命を守るために二階にある部屋の鍵をかけ、屋根伝いに逃げるための逃走経路を確保して過ごしていたんだ。
おかげで高校も危うく中退することになりそうだったが、それは周りの人たちの助けで何とか卒業することが出来たよ。
その代わり『パパ』は進学も就職も出来ずに無職という称号を得ることになってしまった。
そんな息子に『パパ』のママはそう答えたんだ。
なんとも愚かで悲しい話だろう? ○○ちゃんにはまだ早いかな?
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