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「今日はピザだから、紅茶」 「決まりがあるんだ?」 ヂュー、ストローを吸って返事をすると、花保ちゃんが笑ってくれる。 私もフフ、と口元を緩めて、今日初めての笑みを浮かべる。 「今日はラッキーデイね」 「何ですか?」 「あなたの笑顔が見られた日。すなわち、ラッキーデイ」 そうやって、クラスメイトにも見せられたらいいのに。先生はそう言うと、書類を手にして立ち上がる。 「ヤです。あの子達の見てる私っていうキャラクターに、笑顔なんてオプションは付いてないと思う」 「まーたそんなこと言って。貴方の発作は、心理面から来てるんでしょ?」 また始まった、と私は噛じっていたパンを膝の上に置いて、耳を塞ぐ準備をする。 「友達作りとか、打ち解けられる人間関係を築き上げることが大事なのに。貴方が殻に隠っちゃうほど、今時の子は変な態度とっちゃうことが多いし」 「うん」 「そうなったら、また心が悲鳴あげて、症状が酷くなっちゃうんだから」 「それ、何度も聞いたよ花保ちゃん……」 能面みたいな顔を作って言えば、花保ちゃんは頬を膨らませて保健室の戸を引く。 「昼休みが終わったら教室戻るのよー。私はランチに行って来ます」 「はーい」
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