02.

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「っ……」 思い出すと、喉の奥に何か引っ掛かっているような詰まりを感じて、すぐに頭の中を空っぽにする。 「あれさ、さすがにうちの校則でもアウトじゃない?」 男子生徒が壇上に現れてから、あちこちで女子が声を潜めて話をしていた。 「でも、超かっこいいよ」 「超は言い過ぎでしょ」 「それは好みの問題だもん」 校長先生が後ろに下がって、一言いいかい、と男子生徒を演台に誘導する声をマイクが拾う。 「はぁ」 転校生が演台に立つと、館内は静けさを取り戻した。 どんな声で、何を喋るのか、全校生徒が見守る。 私も真っ直ぐ、壇上の彼を見つめた。 「あー……と、なに喋ったらいいすか」 後ろの校長先生に質問する声は、マイクを通して館内に響く。 あぁ、私も同じようなことを聞いたっけ。 発作が起きて苦しいのに、一度顔を出すだけでいいからと、その時の担任に言われて壇上に立った。 “何を……話したら、いいですか……” スピーカーから聞こえる自分の声は震えてて、泣きたくなったのを覚えてる。
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