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「ハ……」
薄い夏の制服の上から胸の辺りを鷲掴みして、自分の上履きを見つめる。
喉の閉塞感を覚えて無理やり唾を飲み込むけれど、何かが込み上げてくるような気持ち悪さを覚える。
「ハッ……ハァ……」
肩で息をし始めた自分に気付いた時、息遣いが聞こえてしまったのか、前にいる女子が顔を後ろに向けてきた。
「え、大丈夫?」
少し見開かれた目。小さく動く口。
どうしようと不安になればなるほど浅くなる呼吸を繰り返して、その目を見つめる。
「ハッ、ハ……」
肩を上下させて丸まる背中。目頭が熱くなって、苦しくて眉をひそめる。
「っ――」
ダイジョウブ?
その言葉の意味って、なんだったっけ。
瞼が重く感じた瞬間、私の意思とは関係なしにうつらうつら閉じていく。
「内宮さん?」
ズルズルと崩れ落ちるようにしゃがみ込むと、フッと力が抜けて――倒れた。
「せ、先生、内宮さんが」
「ゼェ……ゼェ」
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