02.

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「誰に話してるんですか」 「そんなに怒らないで?」 困ったような顔をして、花保ちゃんは謝る。 「2年生……?」 「んーん、3年生の男の子。ほら、さっき転校生として紹介されてた――」 「え、転校生?」 なんで転校生が、転校初日に保健室? 「そう。内宮 晴香くん」 うちみやはるか……、小さな声で繰り返す。 「女の子みたいな名前」 「あー、それ禁句。気にしてるみた――ひゃ」 カーテンの隙間から手が生えて、私は背中を丸めて身構える。 「誰が――女の子って?」 間仕切りのカーテンがバサリと捲られて、茶髪の男子生徒が姿を現した。 キリッとした眉に、眉間の下からすらっと伸びた鼻筋、薄い唇。 女子に“超かっこいい”と言われていた顔は、確かに近くで見ると1つ1つのパーツが整っているように思えた。 一重なのに大きな目が自分に向けられていて、つっと視線を反らしてしまう。
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