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「誰に話してるんですか」
「そんなに怒らないで?」
困ったような顔をして、花保ちゃんは謝る。
「2年生……?」
「んーん、3年生の男の子。ほら、さっき転校生として紹介されてた――」
「え、転校生?」
なんで転校生が、転校初日に保健室?
「そう。内宮 晴香くん」
うちみやはるか……、小さな声で繰り返す。
「女の子みたいな名前」
「あー、それ禁句。気にしてるみた――ひゃ」
カーテンの隙間から手が生えて、私は背中を丸めて身構える。
「誰が――女の子って?」
間仕切りのカーテンがバサリと捲られて、茶髪の男子生徒が姿を現した。
キリッとした眉に、眉間の下からすらっと伸びた鼻筋、薄い唇。
女子に“超かっこいい”と言われていた顔は、確かに近くで見ると1つ1つのパーツが整っているように思えた。
一重なのに大きな目が自分に向けられていて、つっと視線を反らしてしまう。
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