02.

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「内宮くん。女子生徒が寝ているベッドを覗くんじゃないの」 「花保ちゃん先生はピーピーうるさいですね」 「こら内宮っ。先生って呼びなさい」 「そこの人に、今呼ばれてたじゃないっすか」 先生の声が頭の奥に響く。眉を寄せて、肩を縮める。 「花保ちゃん、声大きい……」 「あ、ごめんなさい内宮さん」 「あと、私が叱られてるみたい……」 なに、同じ名前?と、転校生が花保ちゃんを見下ろすと。 「そうよ、内宮 風花さん。貴方のいっこ下。同じ苗字で、この学校に転校してきたっていう共通点があるんだから、後輩には優しくね?」 花保ちゃんが勝手に名前を、それと私も転校生ってことまでバラしてくれる。 「へぇ。この名前、前に住んでたとこじゃ珍しかったのに」 花保ちゃんと転校生が後ろへ引っ込むと、間仕切りのカーテンは元通りになって私の姿を隠してくれる。 「……」 出ていったの? 2人の会話が聞こえなくなって、そろりと床に足を下ろす。 保健室が、シンと静かになる。 転校生の気配が消えて安堵のため息を吐くと、上履きの爪先で床を叩きながらカーテンを全開にする。
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