8・サヨナラ王子様

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こうやって温もりを感じれる距離にいられたら、 どんな困難も乗り越えていけそうなのに 離れると、不安になる。 向居さんと一緒にいて、私とは離れ離れになる。 今以上に....辛い 「....帰るよ。しほりさんと一緒に」 辛い、辛い、現実。 「でも、ケジメをつけるために帰るんだ」 「俺と、彼女と、親父の問題も全部」 「そしたら、あずちゃん」 「って、あずちゃん?」 タローが何かを話していたけれど、私の耳には届いていない。 フラフラと足取りが保健室の外へと向いていて これ以上話を聞いていたくなかった。 タローが私を好きでも、私がタローを好きでも、 超えられない現実があるんだって思った。
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