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「あずちゃん!!」
タローの声が廊下に響く。
授業中なのに、そんな大きな声出したら先生に怒られるじゃない!!
「待ってて!絶対に迎えに来るから」
まるで、プロポーズのように聞こえる言葉に
涙が溢れそうになる。
「....だって、向居さんと」
「俺はあずちゃんが好きなんだ!」
それでも、私は歩みを止めれなかった。
タローの想いが私に向いていても、
家族や向居さんの気持ちや向居さんの親のこととか
いろいろグチャグチャに絡まっていて
ーーー迎えに来るから
その言葉を、信じていいのかわからない。
「お願いだから、待っていて」
切ない声が胸に響いてくる。
本当に、待っていていいの?
本当に?
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