8・サヨナラ王子様

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「あずちゃん!!」 タローの声が廊下に響く。 授業中なのに、そんな大きな声出したら先生に怒られるじゃない!! 「待ってて!絶対に迎えに来るから」 まるで、プロポーズのように聞こえる言葉に 涙が溢れそうになる。 「....だって、向居さんと」 「俺はあずちゃんが好きなんだ!」 それでも、私は歩みを止めれなかった。 タローの想いが私に向いていても、 家族や向居さんの気持ちや向居さんの親のこととか いろいろグチャグチャに絡まっていて ーーー迎えに来るから その言葉を、信じていいのかわからない。 「お願いだから、待っていて」 切ない声が胸に響いてくる。 本当に、待っていていいの? 本当に?
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